詩「完成することなく・・・」

　続いて、２年位前。

完成することなく…

完成することの無い日常　欠けた皿
煮え切らない現実の　その拘泥の中に沈んだ魚　その目

山車が出て現実が変わって　鳴門海峡　泳いで逃げる人の群れ
百足色の空から日が差し込めて　黄色い山並みが金色に輝く時
変化は急にやって来た

倍の数の細胞から生まれた生命　描き切ってない普通の現実
顕微鏡は　無駄を省いたプロペラのような変わり易さで
現実を吸い取るのに少しだけ長けていた

納戸を開ける　錠は閉まったままだ
庭の隅から走り出た　
短冊に書いた詩が大空に舞って

世間体を気にして生きて来て
成すがままに時間を尽くして　自然の景観が変化してしまって

昨日
喉を痛めた　少しだけ風邪をひいた
どんなレースも混じり気の無い性急さで　繰り返されている　いない？
疑問符に避けることの出来ぬハニカミを感じる　
現在形？　存在の不安

真横から吹き抜ける風　その